色が落ちてしまった防具を生き返らせるには
稽古に励めば励むだけ防具は色あせてしまいますよね。
染め直しを依頼すると時間と費用がかかってしまうし、自分ですると色ムラになりそう。
そんな悩みを職人のいる武道具店 東山堂剣道具専門店 剣道防具工房「源」 が解決いたします!
実は染め直しは思っているほど難しくありません。
道具やポイントを押さえれば色ムラが起こりにくくびっくりするくらい綺麗になりますよ!
そこで弊社スタッフが10年前から使っている防具を「正藍液」を使って染め直してもらいながらレクチャーいたします!!
10年間で色が落ちてしまった防具
染め直しの前に、準備するもの
・正藍液
・刷毛
・細めの筆
・ブラシ(豚の毛や少し硬めのもの)
・ペットボトル
・新聞紙
・汚れてもよい服装
・ゴム手袋
藍は衣服や畳床などに付着いたしますと非常に落ちにくいので、作業のされる際は汚れてもよい服を着ていただき、防具の下には新聞紙などを敷いていただくことをお勧めいたします。
また、手に染料がつくことがありますので気になられる方はゴム手袋などをお勧めいたします。
染め直しの方法
まずは「正藍染」を半分に切ったペットボトルに入れます。
※ペットボトルでなくても刷毛が入るサイズの容器であれば構いません
そして空になった容器に水を入れ「正藍液」を2倍に薄めます。
水をいれたらよくかき混ぜてください。
では準備がきましたので実際に垂から染めてみましょう。
正藍液は防具に塗布すると膜(紫色の光沢がある膜)がはります。
膜が残ったままだと色むらの原因となりますので、素早くブラシで刷り込んでください。
↓
大垂と小垂の間や、雲飾りの細かい部分は特に膜が残りやすく色むらになりやすいので、丁寧に刷り込んでください。
このような要領で垂全体を染めていきます。
次に面を染めていきます。
面も同じ要領で塗布してから素早くブラシで刷り込んでください。
↓
今回染め直している面は、面垂がナナメ刺しの面になります。
刷毛で塗布する際には刺し目にそって染めていただきますときれいに染まります。
左半分が染まりました。
顎や用心垂も染めていただけます。
細かい部分や凹凸が多いので丁寧にブラシで刷り込んでください。
飾り糸の部分には膜が残りやすいので、丁寧にブラシで刷り込んでください。
次は甲手です。
甲手も面や同じ要領で刷毛で塗布してからブラシで刷り込んでください。
↓
甲手紐の周りや筒部(手首部分)の飾り糸周辺は膜が残りやすいので丁寧にブラシで刷り込んでください。
ネームの周りや、生子(けら)の間、手の内のヘリ革は刷毛では染めきれません。
こういった個所は細い筆で染めていただくことできれいに染まります。
最後にブラシで刷り込んで終了となります。
染める前と染めた後を比べてみる
乾燥とポイント
ここまでの所要時間約30分。
乾燥は風通しがよく日差しのあたらないところで1~2日しっかりと乾燥させてください。
しっかりと道具とポイントを押さえていただければご家庭でも簡単にできますよ!!
ポイントのおさらい
1.塗った個所からブラシかけ
この「正藍液」は塗った後に膜が張ってしまうため、素早くブラシをかけてください。
はじめは少しずつ染めていただくのがよいと思います。
2.ブラシかけは丁寧に
特に飾り糸や、細かな部分に膜が残りやすいので、丁寧に細かくブラシかけをしてください。
3.細かいところは筆を使う
ネームの周りや、ヘリ革のように細くて刷毛では染めにくいところは細い筆を使って丁寧に染めてください。
最後に 染め直しのご注意
・染め直しをされると、曙光、纏り糸、飾り糸、千鳥糸なども染まってしまいます。
これらの部分が鮮やかなお色の場合は、ご注意くださいませ。
・弊社での染め直しの場合、お顔や腕、道着に色移りしてしますため裏側には染め直しをいたしません。裏革(力革)は染め直しいたしております。
・汗が表面に浮き出ている場合は、変色する場合がございますので硬く絞った手拭などで汗を落としてから染めてください。
ご不安なかたはお気軽に剣道防具工房「源」までご連絡くださいませ。
弊社の職人にて染め直しさせていただきます!
実際に染め直した防具で試合に出場しました
右が弊社スタッフです!
今回使った「正藍液」のご注文はこちらから!!